コンテンツ
  • 地域福祉・ボランティア活動情報
  • 福祉サービスを利用したい方へ
  • 福祉の仕事と資格について
  • 市町村社協・福祉事業者の方へ
  • 京都府社協のご案内

地域の力3

見守りはさりげなく、ゆるやかに、決して無理しない、やれる人が出来ることをする

【団体名(エリア名)】
男山B地区見守り隊(八幡市)
【活動開催日】
平成27年6月
【活動者数】
25人
【利用者数】
11人
【活動場所】
男山B地区(約1,312世帯)
【活動内容】
見守り活動(月1回の自宅訪問(訪問回数はご本人と相談して決めている)、サロン開催時に見守り活動、さりげない見守り等)、地域パトロール(週2回(火・金)16時から)、啓発活動(チラシを作成し各棟1階掲示板に提示)、会議(例会(2ヵ月1回)、情報共有研修会、役員会(1ヵ月1回))

活動のきっかけ・背景

 男山B地区では賃貸住宅入居者の高齢化やひとり暮らしの増加、自治会の加入率の低下に伴い、地域で生活支援が必要な方がおられるにもかかわらず、支援の手を組織的に差し伸べることができなかったことがありました。その頃、地域の中で何とかしたいと強い思いを持っていたのが、現八幡市男山南地区民生児童委員協議会会長の猿渡さるわたり洋子さんでした(男山B地区見守り隊の隊長)。

 八幡市では男山地域再生プロジェクトの一環として、地域全体で新たな見守り活動を進めるための「絆ネット構築支援事業」が始まり、そのモデル地区として平成26年7月、猿渡さんが、社協の副会長、民生委員、B地区自治会の役員をしていた時に、「地域の絆は自治会が中心であるべき」と考え、自治会と一緒に活動を生み出そうと考え行動に移したことがきっかけでした。

 まず、最初に取り組んだのが住民座談会の立ち上げです。B地区内で活動している自治会、民生委員、福祉委員会、子ども会、老人クラブ、交番連絡員の各団体に声をかけ、地域での課題や困りごとを話し合いました。その場で、「誰が住んでいるかわからない」「団地の中で孤独死が続いている」ことを共有する中で、「それぞれの団体や個々の活動だけでは孤独死は防げない」「団体の垣根を越えて地域全体で取り組んでいく必要がある」と参加者の思いが1つになり、孤独死を防ぎ地域を見守る「見守り隊」づくりが始まりました。

 そして10月には、「見守り隊準備委員会」を立ち上げ、お互いに顔の見える関係づくりを構築するために「住民アンケート」を実施しました。



-住民アンケートの実施-

 このアンケートはいくつかの特徴がありました。一つ目は男山B地区1,312世帯全てを対象に訪問し、一人ひとりに手渡しで依頼・回収をしたこと。二つ目は自治会と準備委員会のメンバーがペアを組んで活動したことです。

 アンケートの結果、最も回答の多かった不安は「隣近所の顔が見えない関係」でした。そのことを踏まえ、平成27年6月、住民が住みなれた地域で孤立することなく、誰もが住みやすい地域づくりを目指した「男山B地区見守り隊」が発足し、「誰もが見守り、見守られる」活動をスタートさせました。



活動のあゆみ

-ご本人要望にマッチした見守り体制づくり~見守り登録シートの作成~-

 見守りを希望される方は見守り登録シートを提出しますが、ここにも男山B地区見守り隊のこだわりがあります。一人ひとりにどのような見守りを希望するかを丁寧にヒアリングしています。見守りの回数もルールとして決めるのではなく、ご本人が毎日の見守りを希望されたら、様々な方に声をかけスタッフに関わってもらい対応しています。


Q.見守りが必要な方と考えていた方からの登録がなかった場合はどうしていますか?

猿渡隊長)「この方は見守りが必要」と判断した方には、おせっかいかもしれないが、見守り対象者として位置づけ、ゆるやかな見守りを続けています。


それぞれの生き方や考え方により生活様式やスタイルは違います。男山B地区では、その方の希望に沿うようオーダーメイドされた見守りの仕組みを調整し、ゆるやかな見守り活動を展開されています。



-見守り登録シート案内後の地域住民の変化-

 「見守りを希望する方」の登録を呼びかけるために、見守り隊員の電話番号を載せたチラシを作成し全戸配布することで地域住民より反応がありました。

 今まではご近所の方が「あの方、少し大変かも」と思っていても躊躇して声かけまでは至りませんでしたが、チラシを見た方より見守り隊に連絡が入るようになったのです。

 また、ある時「買い物の帰り道で重たい荷物をもって動けない方に声をかけ、一緒に荷物を持ち送り届けたけど大丈夫だったかな」と見守り隊に連絡があったそうです。見守り隊が活動することで、広く地域の方にも支え合いの輪が広がっています。

 「あれ?おかしいな」と思ったら是非声をかけて欲しいと、猿渡隊長は呼び掛けます。その呼びかけの成果が少しずつ、しかし、着実に見えてくるようになってきました。



-高齢者の見守りから地域全体の見守りへ-

 「見守りは高齢者だけではないよ」と見守り隊員の方が実際にあった出来事を紹介してくれました。

 女子中学生が学校の帰りに見市知らずの男性においかけられたことがあり、不安に思うことがあったようです。そこで、子どもたちへの見守り活動も必要となるのではないかと定例会で話し合い、その結果、毎日下校の時間に地域を見守るパトロールを開始。併せて、下校時の子どもたちや地域の方に挨拶・声かけの活動も始めました。「始めたころは、子どもたちや地域の方に挨拶をしても返事はなかったけど、今ではほとんどの子が挨拶を返してくれるようになりました」と声を弾ませます。

 高齢者の孤独死を防ぐための関係づくりから始まった活動が、お互いに何かあった時に声をかけ連絡し合える絆が文化となり、地域パトロールを通じて子どもたちの安全・防犯にも効果を発揮し、住民同士がお互いに見守り合う、地区全体を優しく包み込むネットワークに育っています。



あなたにとって、この活動は?

「大した活動はしていないよ」と謙遜されていた見守り隊員から、様々な思いが寄せられました。「地域の人と触れ合うことが出来る」「お互いが関心を持ち安心できる時間」「地域がお互いを気にかけていると実感できる」など、お互いに関心をもち目配り、気配りできる場所を見守り隊は生み出していることが取材をして感じました。

猿渡隊長は「これまでも見守りは各団体が個々で取り組んできた。それを団体・所属の垣根を越えて情報を共有できるようにしただけ。地域で役職を担っていない住民も見守り隊に参加することができて、地域全体でつながりを感じることができた」と安堵した表情を浮かべながら優しく語ってくれました。

活動者からのメッセージ

「元気な高齢者がもっともっと増えて、自分が住んでいる地域のことについて、何でもいいので関心を持ってもらえたらいいな」と猿渡隊長よりメッセージを頂きました。 見守り隊員のひとりからは、「活動をしている中で、私自身が活動を通じて見守られていることに気付いた」と。 「誰もが見守り、見守られる側となるので、気軽につながりたいね」という言葉を地域へ発信し続け、さらなるつながりを求め活動を続けていきます。 「見守りはさりげなく、ゆるやかに、決して無理しない、やれる人が出来ることをする」をスローガンに。

社協のひとことコメント

皆さんが活動をする中で「無理しない、がんばりすぎない」「みんなで見守る」を大事にされているからこそ、活動が継続でき、また多くの住民の皆さんにも意識が広がっているのではと感じています。  この活動が広がり、皆さんの目標である「住民が住みなれた地域で孤立することなく、みんなが手をつなぎ、誰もが住みやすい地域」になることを期待するとともに社協も引き続き協力させていただきたいと思っています。