▼介護人材の確保が極めて困難な状況がここ2・3年続いている。今なおその厳しさは変っていない。厚労省の調べでは、介護保険導入時の平成12年の介護人材は、55万人であったのが、18年には117万人と約2倍に伸びている。その後の伸びは鈍化しているというが、今後、高齢化がますます進む中にあって介護人材の不足は極めて重要な問題である。▼介護関連職種の有効求人倍率は、この不況下にあって2・45倍となっており、他業種に比べ、群を抜いて高い。▼ところが、非正規雇用労働者のリストラの嵐が吹き荒れ、失業率も高くなっているのに、成長株の福祉職に流れてくるという大きな変化は生まれてきていない。近畿各府県での「福祉職場の就職説明会」には、「リストラにあった中高年層などが福祉職を求めてきている」との新聞報道はあるが、その規模はやはり小さい。▼それよりもっと重大なことは、若者が福祉職に〝集まらない〟という現実である。京都の福祉人材センターのこの間のデータを見てみると、平成14年度・15年度には、学生求職登録者は、1、703人・1、841人にのぼっていたのが、わずか5・6年後の20年度末には195人まで落ち込んでしまっている。この落差は深刻である。▼京都にある福祉職の養成施設(大学、短大、専門学校等)の定員の充足率を見ても、61%にまで落ち込み、その深刻さが伺える。なぜ、ここまで落ち込んだのか。▼社会福祉振興・試験センター調べによると、介護従事者の給与水準は、全労働者平均の約6割となっており、また、離職率も全産業平均よりも5・4ポイント高い、21・6%に及んでいる。国家資格を持ちながら離職した人に理由を聞いてみると、「仕事がきつい」割には「給料など労働条件が悪い」。そして「体調崩して」辞めざるを得なくなったという。極めて明快な事由である。しかし、問題はそれだけではない。ある関係者は、〝福祉の文化、介護の文化の欠如〟を指摘する。また、ある識者は〝社会福祉労働に対する社会的地位の低さ〟もその一端を担っているともいう。▼こうした問題に直面して、我々関係者は何をなすべきか。何ができるか。京都府社協は、21年度から3ヵ年の「アクションプラン」を策定し、「介護・福祉人材の確保と定着・育成」を重点課題に掲げ取組みを強化することとした。社会福祉を土台で支える人材の確保は、制度・施策を活かすための根本課題である。そのことをしっかりと踏まえ取組みたい。
