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もえくさ(2009年5月)

「私たち抜きに私たちのことを決めないで」("Nothing About Us Without Us!" ナッシング・アバウト・アス・ ウィズアウト・アス)。この言葉は、国連障害者の権利条約を象徴する言葉として語られている。▼障害者権利条約は、06年12月の国連総会で採択され、昨年(08年)5月3日に発効してからちょうど1年、国連加盟192ヵ国中、現在50ヵ国で批准されている。日本政府は、07年9月に条約に署名(批准への意思表明)しているが、批准はまだである。▼障害関係団体のネットワーク組織である日本障害フォーラム(JDF)は、批准は手段であって目的は条約が求める人権保障システムの確立であり、その要は障害者差別禁止法の制定及びモニタリング機構の設置であるとしている。▼3月28日、「障害者権利条約の批准と完全実施をめざす京都フォーラム」が開催され、障害当事者を中心に250名の参加があった。主催は、JDFと京都フォーラム実行委員会。この実行委員会は、障害種別を越えた京都府内の31関係団体が参画する今までにない協働組織となっている。実行委員会は今後も継続し、京都における「障害者差別禁止条例」(仮称)の制定などに向け活動していく予定である。▼4月1日、「障害をもつ人々と参政権研究会」(藤本文朗代表)が京都で新たに発足した。会発足のきっかけとなったのは、京都市内に住む中途失明の男性(73歳)が、市のガイドヘルパー制度(移動支援事業)の利用上限(月32時間)を超えたときの投票の保障を求め、利用時間の上積みが認められたことだ。知的障害、認知症など障害のある人の選挙権行使の保障には、まだまだ課題も多い中で一つの前進だ。▼権利条約のキーワードの一つに「合理的配慮」という規定がある。障害のある人が、障害のない人と同じように諸権利や基本的自由をキチンと保障されるよう適切な変更や調整が行われることを意味している。この言葉は他に「理にかなった条件整備」とも訳される。大切なことは「配慮」や「条件整備」が一方通行で行われるのではなく、当事者と関係者の対話と合意形成によって課題を解決し、相互理解を深めていくそのプロセスにあるのだろう。▼もう一度、この合言葉をかみしめてみよう。「私たち抜きに私たちのことを決めないで」。