▼最近切り抜いた二つの新聞記事。一つは、「社会保障費の抑制(毎年度2千2百億円)を2010年度予算編成の指針となる骨太2009では見直す方針」とある日経新聞(5/21)の記事。もう一つは参院予算委員会で「ばらまき補正予算」とする批判に、担当大臣が「ばらまきというのはミレーの絵に出てくるような種のまき方。今回は点まきだ」と反論したとある朝日新聞(5/21)の記事である。▼《一つめの新聞記事に関連して》福祉・医療の分野では、この間、制度的に混乱の域にあった事案が多すぎた。例えば障害者自立支援法関連では、応益負担や日割り算定、障害程度区分などが指摘されたし、後期高齢者医療では、ネーミングや区分の制度そもそも論、定率負担、徴収方法が指摘された。何が問題だったか。財政論が先行したのが問題・・・と思う。制度を歪めてしまったのは、福祉・医療費の縮減を念頭に置いての制度設計であった。▼《二つめの記事に関連して》、フランス画家ミレーの「種をまく人」のようなまき方か「点まき」かは年月の推移が検証するとして、確かに、相当の予算は付いており、それも国庫10分の10が目立つ。介護・福祉人材確保についても、焦眉の介護職の処遇に関連し、再度の報酬アップが措置される。私たちは、この間、「介護人材は2014年には50~60万人増の150~160万人が必要、身体介護に加え心のケアも行う専門性が大事」、したがって①離職防止と人材確保 ②職員の対人援助力の向上 ③施設の経営基盤の強化が重要などと議論してきた。「種のまき方」が、現下の雇用の受皿としてだけではなく、こうした課題にもしっかり向き合っているか。思うに、畝(まき床)に「筋」は見えにくい。▼二つの記事から考える。今ここで、福祉のありようを、「住み慣れた地域で」「その人らしく」を基本に、担い手の多様性も踏まえ、もちろん負担についてもしっかり議論すべきではないか。この小稿が紙面になるころは新型インフルエンザはもはや終息(期待!)し、同時に、国政選挙も日程にのぼっていよう。福祉にとって施策の動向は極めて大事である。関係者に施策のありようについて選択肢の提示をお願いし、国民的な議論の機会となるよう望みたい。
