▼「リーマンショック」以降、生活保護費を狙ったいわゆる「貧困ビジネス」は、今なお後を絶たない。とりわけ「無料低額宿泊所」という公的な施設を表看板に、路上生活者を食い物にしている無届けの宿泊所(に限らないが)は、約1500か所近く存在しているという。届け出のある宿泊所(439か所)のなんと3倍強である。路上生活者等に住居を用意し、食料や家賃の名目で保護費を吸い上げる「囲い屋」が横行しているのだ。ひどい所では、保護費の80%以上を吸い上げ、入所者の手元に残るのはわずか2万円足らず。このわずかな金で職探しや日常生活を凌いでいる。「『ここを逃げ出せば』と思うが、それは保護廃止と引き換え。わずかな2万円すら手に入らない。泣き寝入り、がんじがらめの状態でこの宿泊所に『囲われ』るしかなかった」と語るのは助け出された被害者である。こうした実態はマスコミでも取り上げるが、一向に改善された節は見当たらない。むしろ広がりさえ見せているのではないか。▼07年度の生活保護受給者は160万人以上、要した支給額は2兆6174億円である。「この巨額な公費に目をつけない手はない」と識者が指摘されている中で、ある都市では、自治体が(囲い屋)業者に路上生活者などの生活保護手続きを丸投げし、その代わり運営には口を出さない、そういう『もたれあい』があるという。まさに野放し状態。これが事実なら言語道断である。▲そもそも「無料低額宿泊所」は、社会福祉法に基き路上生活者等の自立支援、就労を支援するところである。その本来の役割・機能を放棄している事実を見て見ぬ振りをするとなると、「貧困ビジネスの温床はここにあり」と指摘せざるを得ない。▼日本の相対的貧困率は15.7%で、先進国の中ではアメリカに次ぐ高さであるとの報告があった。また、生活保護の捕捉率は、「水際作戦」が功を奏しているのか貧困層の2割程度しか対応していないというのも「情けない」の一言。▼ワーキングプアが社会問題になって久しいが、今も相変わらず1千万人以上存在している。「派遣切り」で生活の糧を失った人たち、野宿生活を余儀なくされた人たちの将来はどうなるのだろう。希望の持てる将来象は描けるのだろうか。そんな不安がよぎる。不況対策でも、貧困対策でも、根本問題はワーキングプアを作りださないこと。安定した雇用を確立することではないか。その場限りの事後対策だけでは「希望の持てる将来」は見えてこないだろう。さて、ツイッター(つぶやき)にしてはかなりの字余り。お許しを。
