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もえくさ(2010年11月)

▼平成22年も残り少なくなってきた。今年は「国民読書年」とのことである。今年非常によく売れた本に『もしドラ』と呼ばれる小説がある。正式タイトルは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』という小説である。実際買って読むとこれが実に面白く、続けてもう一度読み直し、さらにはこの小説でよく引用されているP・F・ドラッカー著『マネジメント【エッセンシャル版】』まで買い求めてしまった。▼さて、この『もしドラ』の物語は、高校野球としては無名の公立高校野球部が甲子園を目指し、実際にそれが実現するまでの小説である。甲子園に行くために女子マネージャーが参考にしたのがドラッカーのマネジメント論である。例えば、その中で、ある目的を達成するためには「マーケティング」と「イノベーション」が基本であるとしている。具体的には顧客は誰か、革新とは何かを高校野球に当てはめて一生懸命考えるのである。その1つが高校野球ではよく行われる「送りバント」と「ボール球を打たせる投球術」を捨てることであった。また、マネージャーの資質は才能ではない。真摯さと言っている。小説ではもちろん他の要素もあって結局甲子園にいくストーリーとなっている。▼日本のプロ野球の世界でも、Bクラスの球団が監督が替わることによって、いきなり優勝することがあった。これはいわゆるトップマネジメントといわれるものだろう。▼今年、全世界の注目を浴びた出来事にチリの落盤事故があった。作業員33人が2ヶ月以上にわたり地下700メートルの空間に閉じこめられたが、奇跡的に無事全員が救出された。報道によると33人のうちの1人が全員の生存のためにマネジメントをしていたとあった。▼このようなことから、プロ野球の監督であれ、女子マネージャーであれ、鉱山作業員であれマネジメントは出来るのであり、必ずしもトップマネジメントやミドルマネジメントには限らないし、これらの功績は必ずしも奇跡でもないと思った。▼ところで、福祉施設でも社会福祉協議会等においても組織である以上、そのトップに限らず、常に組織とは何か、またそれを円滑に運営するためにはどうすればいいか、ということは考えなければならない。そのヒントの1つが『真摯さ』だと私は思う。