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もえくさ(2011年2月)

▼昨年末から年始にかけて、「タイガーマスク現象」が各地で盛り上がった。「クリスマスの朝、『伊達直人』が『児童養護施設』の子どもたちの『新入学児童にランドセルの贈り物』」との群馬県に現れた当初の小さなニュースが、年明けの1月12日(第一報から三週間足らず)には、たちまち全国47都道府県に波及する一大ムーブメントになった。▼この出来事については、多くの識者が様々なコメントを寄せた。「困っている人を誰もが助けたいと思っている」、「人と人との絆が薄れていく中でみんながそれを取り戻したいと考えている」、「(善意の)自分の気持ちが確実に生きる」、これらが匿名での寄付・寄贈という形になって具体化されたとする見方である。この報道で、児童養護施設は多くの国民に知られることとなり、施設への理解が深まる、善意の輪が広がる、といった肯定的な受け止めとともに、「一過性でなく継続的な支援へ」「一方的に届けるよりも送り先の必要とするものを確かめるともっと良い」など今後への期待も関係者からは語られた。▼今年1月に初めて発行された『寄付白書2010』によると、日本人の年間寄付総額は5455億円、寄付を行った人は3766万人(15歳以上人口の約34%)、企業の年間寄付総額は4940億円(08年度/法人所得に占める割合は1.4%)で、個人と法人の寄付を合わせると一兆円を超えると推計。これらの数字は今までの認識をくつがえし、「個人の寄付が法人寄付より多い」、「既存統計の推計に比して2倍~4.6倍の規模」であることを示した。そして、「寄付の促進を期待する」人が約60%の回答とも紹介している。▼今回の「タイガーマスク現象」は、こうした日本社会の寄付文化の潜在能力を引き出した事象と言えるかもしれない。前向きで嬉しいニュースであり、理解と善意の輪の広がり・継続性を願う。一方、こうしたイベント的な支援とともに、社会福祉現場が抱えているより根本的な対応策に報道の眼や国民の関心が向かうようになれば心強い。▼と念じていた頃、「児童養護施設の指導員ら増員へ/30年ぶり」のニュースが流れた。2013年度に向けた厚生労働省の方針として、1979年に定められた現行の児童養護施設最低基準について、職員一人当たりの子どもの基準数(小学生以上の場合、子ども6人に職員1人)を改善し職員を増員する、また、部屋の面積基準(子ども一人当たり3.3㎡)を約5㎡以上に引き上げる方向という内容だ。「タイガーマスク現象が国を動かした」とみるのは、少々短絡的なとらえ方かもしれないが、全国をかけめぐった温かい風が後押しになったと考えたい。▼さて、福祉現場の関係者は、次なる「タイガーマスク現象」をどのように発信していくべきか。目を転ずると、いま「地域主権」の流れの中で、社会福祉施設の設備及び運営の基準は、国の規制を緩和して地方の条例に委任していくこととなっている。条例の内容や水準は、議会の審議が決定していくわけだが、折しも今年は4年に一度の一斉地方選挙。福祉現場を大切に思い、熱い心で応援してくれる「伊達直人」のような議員さんが増えることを願う、というのは安易な発想でしょうか。▼今冬は、各地で過去最高を更新する豪雪となり丹後の宮津市世屋地区では296㎝!除雪作業中の事故や農林漁業への被害など、現地では大変な状況です。高齢者や障害のある人の日常生活にも大きな不便をきたしていることでしょう。どうぞ事故やお疲れが出ませんように。