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もえくさ(2011年5月)

▼世界で日本ほど地震に対し周到な備えをしてきた国はないと言われてきた。しかし、東日本大震災は、その備え、想定を遙かに超える壊滅的な被害を受けたことに加え、安全と言われていた原子力発電所の事故というこれまで経験したことのない大災害となった。▼この未曽有の大震災から2か月になる。今も10万人以上の方々が避難生活を余儀なくされているが、長引く避難生活も限界に来ているのではないか。落ち着きを失わずに助け合ってきた被災者の方々も、生活再建の見通しも立たずに耐え続けるのは難しい。▼避難生活の長期化が必至の中で、懸念されるのは被災者の心のケア。家族や友人との別離、助けられなかったという自責の念、財産や大切なものを失った喪失感、将来への不安、疲労やストレスなどにより体の変調を訴える人が増えているという。▼また、福祉施設や福祉避難所が満杯で一般の避難所で避難生活を送っておられるお年寄りや障害のある方々なども多い。救助されて命を取り留めても、避難した先で必要なケアに結びつかなければ再び生命が脅かされることになる。▼被災地ではこうした方々に寄り添い、適切なケアをするために多くの医療機関や専門機関、NPOやボランティア団体などが様々な支援活動に取り組んでいるが、支援の手が行き届かない方々も多いと聞く。阪神淡路大震災では震災関連死が900人以上と言われているが、今回もすでに多くの方が亡くなっている。▼国においては、復旧に向けた4兆円超の第1次補正予算が成立し、「復興構想会議」は第一次提言を6月末をメドにまとめることとなっている。被災された方々に将来への希望を持ち続けてもらうため、将来を見据えた復興ビジョンを一日も早く示し、被災地に希望と安心を届けていただきたい。▼が、その前に、政府、自治体には、震災関連死は人災であり一人も出さないという強い決意のもと、早急に福祉避難所の確保や仮設住宅の建設、雇用や生活再建に向けた取組を、そして、一人ひとりに向き合ったきめ細やかな施策を期待したい。▼我々国民も、被災された方々を孤立させないよう、一人ひとりができることでその再生への長い道程を支え続けていかなければならない。