▼今、「成年後見制度」の利用者が年々増えている。特に「市町村長による申立て」は急速に伸びつつあるようだ。「首長申立て」は、身寄りのない方や身寄りがあっても申立てを拒否された人に対し、「首長」が代わって家庭裁判所に申立てるというものだが、地域によってはなかなか利用が進まない現状がある。▼その理由の1つが、「成年後見人のなり手がない」という問題である。成年後見人には、財産管理を含む様々な代理権が付与されるわけだから、選任する家裁としても「誰でもよい」というわけにはいかない。ここに悩みの種がある。▼京都府内市町村社協で取り組まれている「福祉サービス利用援助事業」(地域福祉権利擁護事業)の利用件数がここ数年右肩上がりに増えてきている。同時に、一方で判断能力の衰えも進行し地権事業では対応困難な「後見類型」に該当する利用者も増えてきている。しかし、現状では成年後見人が少ないため、極めて厳しい環境下で支援にあたっていただいている。▼昨年度の全社協の調べによると、全国で「法人後見」を実施している市区町村社協は114か所である。これも急速に増えつつあるようだ。なぜ法人後見を受任したかを尋ねると、ズバリ「後見人のなり手がない」理由がトップであった。受任するケースの条件では、「適切な後見人候補がないこと」「首長申立てのケースであること」、「生活保護世帯であること」としている。つまり困難ケースに限って受任している実態が浮かびあがってくる。受任した場合の後見報酬を訊くとそれが顕著に現れる。「本人」や「成年後見制度利用支援事業」から受け取るのは49.6%、いろいろな理由で報酬を受け取っていないケースは、50.3%と、半数を超えているのである。こうした現状の中で何が課題かを尋ねると「組織体制の整備」と「財源の確保」をダントツに挙げている。うべなるかなである。▼やむに已まれず法人後見を受任したが、やはり財政的にも実施体制上も非常に厳しい状況にあるということだ。その厳しさを承知しつつも、利用者と正面から向き合っている市町村社協は、やはり一歩前に足を踏み出さざるを得なかった、というのが現実だろう。「先駆的」といえば聞えはいいが、成年後見の制度設計上の未整備状態を肩代わりするにしては、脆弱な市町村社協にとってはあまりにも負担が大きすぎると思うが、如何だろうか。「待ったなし」で突きつけられているこの課題。京都においても深刻だ。速やかに、そして根本的な改善を期待したい。
