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もえくさ(2017年7月)

 「現状維持には想像力は要らない。」ある法学者の言葉である。現状を当然のこととして保守する限りでは「想像力」をはたらかせる必要はなく、「現状」は「原状」のままとなるという▼政府は「地域共生社会」のビジョンを示している。人口減少社会が進み、地域のつながりが希薄化している今日、地域住民による主体的な地域づくりへの参加と、市町村の相談支援体制の構築を目指している▼孤立を防止し、人間同士のつながりの回復を図る地域づくりの必要性を疑う者はおそらく誰も居ないであろう。「地域共生」には人の尊厳を保持する根源的な意味もある▼しかし、共生社会を実現する確信や手応えはあるのか。「想像力」を十分に働かせているビジョンなのだろうか。たしかに、住民に身近な生活圏域や市町村で相談支援の体制ができるのは望ましいけれども、すべての市町村で財政面や専門的な人材確保などの観点からワンストップ体制を整備する体力があるのだろうか▼また、住民同士の「自然な支え合い」は生きるうえでの精神的な豊かさを高める。だがそれは人々の最低生活の保障が確実に行われ、福祉・医療・教育・住宅などの社会サービスの充実が前提ではないのか。土台なくして住民同士の支え合いを強調するのならこれまでの政策とあまり変わらない▼「地域共生社会」の実現は、住民同士が支え合う地域づくりの推進とあわせて、誰もが豊かに生活できる権利の保障として、改めて国や自治体の役割、責任を明確にすることが必要である。先ずは、市町村、地域で起きている当事者の生活問題や社会状況の把握に努め、地域住民の多様な意見を十分に聴くことからスタートさせるべきではないだろうか。(T・S)