笑って泣いて!誰かの人生に寄り添う仕事
ヘルパーストーリー

ヘルパーストーリーvol.15

南丹市社会福祉協議会 ほほえみかぐら訪問介護事業所村山 みどり さん

ヘルパー経験年数:
登録型:1年9ヶ月・正規:20年
役職:
管理職
得意な介護:

私のヘルパーストーリー

<ヘルパーを目指したきっかけ>

私は結婚後、出産を機に退職し、子育てに専念していました。

約10年間は社会とのつながりが薄れていくのを気にしながら、地域の子育て仲間とグループを作り、子ども連れでボランティア活動をしていました。ボランティア活動として、高齢者施設へ行く機会があったことや、地域の先輩からヘルパーを勧めていただいたことなど様々なきっかけがありました。

他にもヘルパーを目指すきっかけになった出来事はたくさんあります。

長男の学校の福祉教育で障害者施設に慰問に行った時、障害者の方と会話をする機会がありました。私は父が身体障害者だったことから、障害者の方に対して、自信を持って話せると思い込んでいましたが、ふと気が付くと、病気についての問いかけばかりを行っていました。しかし、子どもは障害者の方と何の戸惑いもなく馴染み、本当に心を通わせ合っていました。この出来事を通じて、「もっと障害者の方々との触れ合い方を学びたい」と思いました。

また、小さい頃から祖母に育ててもらい、20歳までは祖母と一緒に寝るほど、祖母好きであったことや父が幼児期の病気から聴覚障害になり、他者とのコミュニケーションが困難であったこと等もヘルパーを志すきっかけになりました。

<ヘルパーを続けてこられた理由>

登録ヘルパーだった時に認知症の独居女性の方を担当させていただきました。

その方は遠方に住む息子からの支援もほぼなく、近所からも「早く施設に入れてほしい」というような苦情を言われ、孤立されていました。生活実態が明らかになるにつれ、支援の必要性も高まり、週に数回の訪問から、毎日(多いときは1日2回)訪問するようになりました。認知症という病気の理解もない当時の私でしたが、孤立感や不安感を未熟な私に表してくださいました。それに対し、私は一緒に共感し泣くことしかできませんでした。この経験から私は、ますますヘルパーの仕事にのめり込み、こんな私でも頼ってもらえる。人の役に立てているのかもと感じられました。その後、その方は施設入所されました。20年以上前のことですが、今でもその方の笑顔が忘れられません。

ヘルパーを続けていく中で、多くの方のご自宅に訪問させていただきました。ある時は被害妄想の的になり事務所に苦情を言ってこられた時もありました。そんな時は事務所先輩方のアドバイスを受けて少し間を置いて訪問するようにしました。すると、その方の被害妄想もなくなっておられ、何もなかったように援助が出来るようになったこともありました。

ヘルパーの仕事は家族ではない介護のプロとして、一歩離れてご本人の心に寄り添える誇りある仕事です。これからも多くの方に、ヘルパーの仕事について知っていただき、在宅福祉のエキスパートとして一緒に学びながら支援を求めておられる方々の訪問をしていきたいと思っています。