笑って泣いて!誰かの人生に寄り添う仕事
ヘルパーストーリー

ヘルパーストーリーvol.19

せんしゅんかい訪問介護センター西山天王山Y さん

ヘルパー経験年数:
7年
役職:
管理職
得意な介護:

利用者N様の心からの「ありがとう」の言葉

新型コロナウイルスが私たちの地域にも蔓延してきた頃、あるデイサービスの職員さんから陽性反応が出ました。私たちの事業所で訪問させてもらっている利用者N様が、その職員さんの出勤日にデイサービスを利用していたとの事で、濃厚接触者ではなかったもののPCR検査を受ける事となりました。陰性となりましたが、結果が出るまでの数日間は訪問介護のみならず、ケアマネージャー、訪問看護師なども訪問することが出来ない状態となりました。

上司に指示を伺ったところ、陰性でも2週間の訪問はするべきではない事になりました。最近、歩行状態が著しく悪くなり転倒することが増えてきたため、ケアプランの内容変更をしなければならないと言っていた矢先に訪問ができない状況となり、訪問できない期間の利用者N様の生活をどうするのか関係各所で話し合いました。

今の状態がどうなっているのかを知らなければいけないため、電話にて安否確認をしたところ「ヘルパーさんに来てもらわなアカン。もう滅茶苦茶になっている。」と不安そうな声で訴えられました。怪我はないとの事でしたが、認知症を患っている方のため電話だけでは確認のしようがありません。家族様に連絡を取りましたが、遠方に住まれているためすぐには動けないとの事で、こちらとしても電話での安否確認を行うしか出来ない状態でした。PCR陰性の結果が出て上司に利用者N様にどれだけ今の援助が必要かという事を伝え、何とか援助に入れないかと相談したところ、必要最低限の回数のみの訪問であればしてもいいとの指示をもらえたため、早速感染対策の長そでのエプロン、ゴーグル、ビニールキャップ、ディスポグローブ、シューカバーを装着し訪問しました。

訪問前にこれから訪問する旨を伝えてから訪問しましたが、利用者N様は涙ながらに「大変な時に来てくれてホンマありがとう」と言ってくださいました。辺りを見てみると、冷蔵庫の中はぐちゃぐちゃになっており、床には食べこぼし、洗濯機の中には尿汚染の衣類が溜まっていました。利用者を見てみると頭に傷が出来ており、「何回か転んでん。」との事でした。援助は食べ物の購入、洗濯、軽い掃除で45分ほど行いましたが、援助中には「来てくれてほんまありがとう」と何回も言われていました。

最近では、新型コロナウイルスの変異株といったものが出てきて、これからますます感染予防対策が重要となってきます。今後も気を緩めずにしっかりと対策をしていきたいと思います。