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地域の力3

限界集落の挑戦!住民みんなでつくる居場所

【団体名(エリア名)】
木曜ふれあいサロン(南山城村)
【活動開催日】
令和元年5月
【活動者数】
3名
【利用者数】
野殿地区住民
【活動場所】
野殿公民館
【活動頻度】
奇数月の木曜日(1回)
【活動内容】
サロン

~「限界集落」の改革 木曜ふれあいサロンを取材しました!~

朝日の木漏れ日が差し込む山道を車で走ること30分、木々を抜けた先には、秋晴れの空の下、田畑が広がり、昔ながらの日本家屋が建ち並ぶ光景が広がっていました。ここは南山城村の野殿地区。村の中でも特に高齢化が進み「限界集落」となっています。

そんな野殿地区で唯一のお寺、福常寺の隣にある野殿公民館の中からは、おじいちゃん、おばあちゃんたちのがやがやとした話し声が聞こえてきます。皆さんが集まっている理由は「木曜ふれあいサロン」に参加するためです。今年の5月から区長の森嶋 徹さんを中心に活動が始まり、取材をした日は相楽消費生活センターの方を講師に迎え、皆さんで「悪徳商法」についての講座を受けていました。この日の参加者は約20名となり、これまでで最多の参加人数となりました。講座を受けながら、「うちのところではね...」と話し合う姿も見られ、講座の最後、森嶋区長からの「みんなで相談し合えることが大切」というメッセージに、多くの方がうなずかれていたのが印象的でした。

講座を受けていた隣の部屋からはおいしそうな香りが漂ってきます。扉を開けると、支部長の野殿さんをはじめ、4名の方が講座の後にみんなで食べる昼食を準備されていました。この日のメニューはキノコや油揚げなどが入った具沢山の炊き込みご飯とお味噌汁、大根の煮物です。大根の煮物は味が染み込むように前日から準備をされたそうです。さらに今日は森嶋区長手作りの芋羊羹もあり、秋の味覚が盛りだくさんのメニューになりました。メニューは野殿さんを中心に考え、自分たちで育てた野菜などを材料に作っておられます。森嶋区長お手製の芋羊羹もご自身で育てたサツマイモで作ったそうです。

講座を終えた後、みんなの顔が見合えるように机を合わせ、全員揃って「いただきます」と挨拶をしてから、昼食を食べ始めました。「このお漬物、みんなで食べて」と自分で漬けたウリや大根、ナスの漬物を持ってこられた方がおり、みんなで仲良く分け合いました。ご飯を食べながら、「みんなで食べると美味しいな」という声も聞こえてきました。昼食後は、このサロンの中心メンバーでもある廣岡さんによる絵本の読み聞かせが始まりました。廣岡さんの臨場感あふれた読み聞かせに皆さん引き込まれ、「上手やなあ」「面白いなあ」という会話が飛び交います。

かつては神社で開催される行事ごとに集まっていましたが、高齢化が進み、行事を運営する若い人達が減ってきたことから、住民の方々が集まる機会は自然と減っていきました。

「そんな状況を改革しよう!みんなが集まる場所をみんなで創っていこう!」と立ち上がったのが、森嶋区長です。森嶋区長は、住民の皆さんに「限界集落」という現状を伝え、「この状況で毎日、自分たちが楽しく暮らしていくために何ができるか?」と訴え続けた結果、楽しく暮らしていくための一つとして、この木曜ふれあいサロンが生まれました。

~信頼し合える仲間と一緒に改革を!~

 現在、木曜ふれあいサロンは2ヶ月に1回、奇数月の木曜日に開催しています。毎回の企画や昼ご飯のメニューは森嶋区長、野殿支部長、民生委員の廣岡さんが中心となって考え、「住民の方々も一緒に参加できること」、「生活に身近なテーマを取り上げること」を大切にしておられます。

「例えば、昼食のメニューを餃子やコロッケにすることで、餃子の皮を包む作業やコロッケの成型などを皆さんにやっていただきました。メニューを考える際は皆さんにも作業をしていただけるように工夫しています。」と野殿支部長が教えてくれました。

「みんなで同じ作業をすることで、『包むの上手やなぁ』など会話が生まれます。そのような会話が積み重なることで、気持ちを通じ合うことが出来、住民同士の協働が深まると考えています。」と森嶋区長も話されました。

住民の方々が参加することを大切にしている理由について森嶋区長は「みんなで話し合える、協働し合えるような『人づくり』を大切にすることで、自分たちの地域の発展や成長について考え、実践することができる『地域づくり』につながるのではないか考えています。」と熱い思いを語られました。そんな森嶋区長の熱い思いに賛同し、野殿支部長や廣岡さんも活動されています。廣岡さんは「高齢の方が増え、お子さんの住むまちへ引っ越す方もいらっしゃいますが、多くの方は野殿地区で自由に暮らしたいと願っておられます。この場で皆さんの様子を気にかけながら、その願いに寄り添っていきたいです。」と思いを話されました。

今年5月から開始したこともあり、企画づくりや運営についてはかなり試行錯誤されているそうです。ですが、森嶋区長は「協力していただける方々のおかげでサロンをすることが出来ています。」と話され、野殿支部長と廣岡さんは「区長が引っ張っていってくれるおかげです。」と話され、互いに信頼し合いながら活動をされていることが伺えました。

 お話を伺っている中で特に印象的だったのは、「このサロンを始めて嬉しかったこと」を尋ねると皆さん口を揃えて「住民のみんなが喜んで集まってくれること」と話されたことです。

森嶋区長をはじめ、活動者のみなさんの住民の方々や野殿地区に対する熱い思いと、互いの信頼関係の強さが、皆さんの笑顔を生み出しているのではないかと感じました。

~住民の皆さんの絆を原動力に~

取材中、サロンに来ていた住民の方が「徹ちゃん」と森嶋区長の名前を呼ばれていました。「みんなのことは下の名前で呼び合っているんだよ。」と一人の方が笑顔で教えてくれました。皆さん下の名前で呼び合いながら輪投げをしたり、談笑をしたり、ここで過ごす時間を楽しまれていました。

 長年共に同じ地域で過ごし、家族のような深い信頼を寄せあっている皆さんの絆の力は「限界集落」を改革していくための原動力になるのではないかと感じた取材でした。

活動者からのメッセージ

「みんなで話し合える、協働し合えるような『人づくり』を大切にすることで、自分たちの地域の発展や成長について考え、実践することができる『地域づくり』につながるのではないか考えています。この場で皆さんの様子を気にかけながら、『野殿地区で自由に暮らしたい』という願いに寄り添っていきたいです。」

社協のひとことコメント

野殿の皆さんは仲が良くてとてもお元気で、行かせて頂く度に私の方が元気をもらっています。「また来てやあー」がとても嬉しいひと言です。長く野殿に住み続けていただける様に社協としてもお手伝いが出来ればと思っています。