地域の力「食」をテーマに高齢者の生活に密着した配食・会食活動

配食サービス 燦燦(さんさん)(長岡京市)

活動者数
16人
利用者数
配食サービス60人、会食のつどい28人
活動場所
喫茶燦燦(長岡京市開田2-1-22)
活動頻度
配食サービス 週4回(火~金)、会食のつどい 月1回(日曜の昼食)
活動内容
家庭の手づくりの味を届ける配食サービス、会食のつどい、うたごえ喫茶

住み慣れた地域で、高齢者が暮らし続けるために欠かせないのが、食の手配。喫茶店の事業活動を財政的な支えにした、配食サービスに取り組むボランティアグループがあります。

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喫茶店の営業後に配食サービスがスタート

「定年後に何か役に立つことをしたい」と、旧知のメンバー7人で結成した「燦燦」。母親の介護を経験した代表の中川美智子さんの「食べ物は人を笑顔にする」との信念から、誰もが利用できる喫茶と配食サービスなど、「食」に関わる活動を始め、2015年で13年目を迎えます。
喫茶「燦燦」は、市役所前のスーパーの裏という立ち寄りやすい場所にあります。14時で営業が終わると、テーブルを並べ替え、そのまま配食サービスの準備へとスイッチ。スタッフが彩りよく盛り付けたお弁当は一個ずつ袋に詰められ、ルート毎に配達メンバーが徒歩、自転車、車で出来たての味を届けに行きます。

家庭の味と笑顔を届け、見守り活動も実施

配食サービスの対象は、65歳以上の一人暮らしや高齢者世帯で自分では調理が難しい人。利用者の健康を考え、自家製味噌や低農薬の野菜、米などを使用。マリネは油を使わずレモンと酢で仕上げ、春巻きやトンカツも焼いて脂質を控える工夫を施しています。栄養バランスに優れ、1食600キロカロリー前後に抑えたメニューは大好評。中川さんは、「仕入れも自分たちで行うし、調理は立ちっぱなしだからハード。でも、みんな喜んでくれるから、私たち自身が楽しんで取り組んでいます」と力強く話します。
配達時の声かけやアンケートなど、きめ細かな見守りを行っているのも特徴です。利用者の女性は、「本当に美味しいお弁当。玄関先まで届けてくれて助かるし、ちょっとした会話やボランティアさんの笑顔に、元気をもらうんですよ」と嬉しそうに話してくれました。

他の配食ボランティアとの交流で活動がより豊かに

燦燦では、他にも「会食のつどい」や「うたごえ喫茶」などの活動も行っています。いずれも高齢者の憩いの場となっており、「ここに来るために元気でいたい」と話す利用者も。喫茶利用したお客さんが、その味と取り組みに惚れ込み、定年後のボランティア活動の問い合わせする人もいるそうです。現在のメンバーは、配達のみのスタッフを含めて16人に増加。総会や理事会を開いて、より住みやすい地域にするための意見交換を行っています。
また、市の配食サービス協働プラットホームや社協主催の配食シンポジウムにも積極的に参加。配食に関わる他の団体と互いの活動を報告し合い、配食先のマップ作りなどを通して地域との連携を模索しています。

社協のひとこと

【長岡京市社協】 「“食”で笑顔を届ける」という理念を、当初からしっかりと持って取り組まれています。現場のスタッフの声や利用者の変化にすぐに対応できるように連携を密にし、社協のサポート体制を整えています。 西野 寛子さん