このまちのどこかで、
静かに過ごしている誰かの物語です。
困っているようには見えないけれど、
誰にも言えない孤独を抱えている人。
にぎやかな場所にいても、
ふと静かな気持ちになる人。
私たちのまちにあるいくつもの孤独にまつわる
ショートストーリー。
今日は、その中の5つの声を紹介します。

第1話 つながっているのに
仕事から帰ると、なんとなくスマホを開きます。
友だちの写真が流れてきたり、メッセージが届いたり。
画面の中では、いろいろな人とつながっています。
やりとりもしているし、コメントを書いたりもします。
でも、ふと気づくことがあります。
仕事が終わって、部屋に帰ってきて。スマホは見ているけれど、
声を出して誰かと話したわけではない。
つながっているのに、少しだけ静かな気持ちになることがあります。
何気ない雑談。
誰かと交わせること。
そんなほんの少しの会話があれば、その日は少し違って見える気がします。
第2話 大丈夫
「相談するほどじゃない」と思っていた
仕事も生活も特に大きな問題はない。
そう思っていました。
ただ、誰かとゆっくり話す機会が減って「最近どう?」と聞かれることもなくなっていました。
困っていないわけじゃない。
でも相談するほどじゃない。
そうやって一人で抱えるのが当たり前になっていました。
ある日、何気なくかけられた「最近どう?」の一言。
それだけで気持ちが軽くなったのを覚えています。
第3回 相談窓口で
「おはようございます」
「今日はいい天気ですね」
そんな何気ない言葉を、誰かと交わす日もあれば、誰とも話さないまま一日が終わる日もあります。
朝起きて、テレビをつけて、ひとりで食事をして。
気がつくと、誰とも言葉を交わしていない。
そんな日を過ごしている人も、このまちにはいます。
相談の窓口に来られて、終わったあとも少し長く話をされる方がいます。
最近のことや、昔のこと。
もしかしたら、ここでしか話すことがないのかもしれない。
ふと、そう思うことがあります。
「今日はいい天気ですね」
そんな何気ない一言が、誰かにとっては大切な会話になることがあります。
日常の中で、言葉を交わせる相手がいること。
それは、とても大きなことなのかもしれません。
第4話 小さなつぶやき
放課後は、友だちの家に遊びに行くことが多いです。
ゲームをしたり、おしゃべりをしたり。
ときどき、友だちがうちに来ることもあります。
みんなで遊んでいる時間は、とても楽しいです。
でも夜になると、家にはぼくひとり。
両親は共働きで、帰りはいつも遅いんです。
テーブルには、夕ごはんが用意されています。
テレビをつけて、ひとりで食べます。
週末以外は、だいたいそんな毎日です。
この前、ごはんを食べながらふと思いました。
「今日は、誰かとごはん食べたかったな」
第5回 私の居場所
地域のサロンでボランティアをしています。
ここには一人で家にいる時間の長い人や話し相手が少ない人が良く来られます。
私はずっと「地域で孤独を感じている人のお手伝いができれば」と思って活動していました。
でも、ある日ふと思ったんです。
私もここに来るのを楽しみにしているなって。
夫を早くに亡くし、家に帰っても「ただいま」をいう相手はいません。
でもこのサロンでは、「こんにちは」「元気でしたか?」
そんな言葉を自然に交わせます。
お茶を飲みながら何気ない話をしてみんなで笑う時間があります。
ここは来てくれる人たちの居場所だけじゃなくて、私にとっても大切な居場所なんだ。
誰かとつながっていること。
それが、私にとって大きな力になっている気がします。
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あなたの一言で、
誰かの一日が少し変わることがあります。
その小さなつながりが、
このまちを支えています。
「つながりをいかして、だれもが尊厳をもっていきることができる社会」
をめざして。
京都府社会福祉協議会
本事業は、この事業は、赤い羽根共同募金の助成を受けて実施しています。

